交通事故の時効起算点は「事故発生日」ではなく、怪我が完治した時点です。

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慰謝料の時効と起算日

慰謝料の時効

慰謝料の請求には時効があります。

慰謝料請求は法律に言うと「損害賠償の請求」にあたります。
損害賠償請求の時効は「損害及び加害者を知ったときから3年」または「不法行為から20年」です。
20年の時効が適用されるのは加害者が分からない場合、交通事故で言うとひき逃げ等の特殊な場合に限られます。

慰謝料請求の流れ

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通常の交通事故の場合は事故時に加害者が分かります。

では「事故から3年で時効になってしまうのか?」そうではありません。
3年をいつから数えるのか、時効の起算点について説明します。

交通事故の示談交渉の流れは簡単に書くとこうなります。

①交通事故→②治療→③完治または症状固定→④示談交渉開始→⑤示談成立→⑥慰謝料の受取

①〜②の間はまだ損害が確定していないので、まだ慰謝料請求が出来ない状態です。よってこの段階ではまた時効は進行しません。

③の完治または症状固定で、慰謝料請求が可能な状態になります。
治療が終わったのに示談交渉をせずに放っておくと、時効が進行します。ここが時効の起算点になります。

しかし時効は進行し続けるのもではなく中断します。
「債務の承認」や「一部弁済」があった場合には時効は中断します。

④示談交渉中は損害賠償額(慰謝料)について被害者と加害者が確認し合っている段階です。
通常加害者側は慰謝料を支払う義務があることを認めているので、示談交渉は時効の中断事由のひとつ「債務の承認」にあたるため、示談交渉中は時効にはなりません。

法律用語で「時効の中断」と言いますが、時効のカウントが一時停止するのではなく0に戻ります。

慰謝料請求例

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例えば、2015年1月1日に怪我が完治した場合。

なにもしないと、3年後の2018年1月1日に時効が成立します。

相手方が「時効の援用」の意思表示を行なうと、もう慰謝料を請求することが出来ません。

しかし、1年後の2016年1月1日に示談交渉を始めて加害者側も慰謝料を認める発言があった場合には、時効は中断します。

その後2016年6月1日に示談交渉が決裂した場合。最後の示談交渉の時が新たな時効の起算点となり、2019年6月1日に時効になります。
(初日不算入で計算します)

「事故から3年が経過するので、示談をまとめないと時効になってしまう」と心配する方がいますが、示談交渉を続けているなら時効にはなりません。
(注:示談交渉が決裂して連絡を取り合っていない状態ならば時効は進行します)

もし保険会社から時効を仄めかしてくるようならば、念のため会話や通話記録・日付の入った書類等を残しておくと良いでしょう。
時効が中断している証拠になります。

また時効とは、その時期が来たら自動的に権利が無くなるというものではありません。

時効に必要な期間の経過→加害者側が「時効援用の意思表示」→慰謝料請求権が無くなる

という流れです。

慰謝料請求していない期間が3年以上経過している場合でも、加害者が「時効を援用」する前であれば、慰謝料をもらえる可能性は残っています。